決算①~まえがき~
この時期の税理士ブログといえば
確定申告ネタ
が多いですが、私は上場会社の経理マンだったので、純粋な経理の花形業務である
「決算」
について10回シリーズをやります。
小さい会社の決算について書かれた本はたくさんあります。これらは税務の解説がほとんどです。初めて決算を迎える社長さん向けでしょうか。
また、「企業結合会計」とか「退職給付会計」などについての個別テーマについての詳しい内容も大手会計事務所から本が出ています。
しかし、
上場会社の経理マンが決算時にやること
についての情報はなかなかありませんよね。私もビギナーだった頃は見よう見まね、試行錯誤で失敗の繰り返しでした。
決算が回せるようになった今、
どんなところを気をつけているか
会計士や税理士でない経理マンが
会計や税務をどのように理解するか
を大胆な省略と私見、それから網羅性度外視で書き進めようと思います。
①まえがき←イマココ
②検討事項
③固定資産
④消費税等
⑤法人税等
⑥税効果会計
⑦連結決算
⑧キャッシュ・フロー計算書
⑨開示書類
⑩あとがき
いきなり余談ですが、以前、経理経験者の採用面接をして感じたことがあります。それは「決算経験」という言葉が非常に曖昧であることです。
面接でよくよく聞いてみると、
- 「経過勘定項目の未払、前払計上をしてました」
- 「内訳書を作ってました」
- 「減価償却は上司がやってました」
- 「税理士から言われる資料を揃えていました」
- 「会計事務所で税理士の手伝いをしていました」
これらは決算経験にカウントしませんでした。
せめて
決算の「ノリ」がわかってる人
でないとやってたとは言えないと思うんですよね。この10回シリーズで、その「ノリ」をお伝えしたいと思います。
では、本題に入ります。
このシリーズでは上場会社の四半期ごとの年4回の決算、
- 第1四半期決算(1Q)
- 第2四半期決算(2Q)
- 第3四半期決算(3Q)
- 年度決算(4Q)
の話が中心です。
世界的な大企業はまた違ってくると思いますが、東証二部くらいまでのイメージです。
中小企業でも中小会計要領ではなく、
中小会計指針で決算をやっている場合は、関係するところも多いと思います。
決算のボリュームについてですが、
- 1Q 📃📃📃(3)
- 2Q 📃📃📃📃(4)
- 3Q 📃📃📃(3)
- 4Q 📃📃📃📃📃📃📃📃📃📃(10)
とにかく年度決算が重いです。
それは
有価証券報告書がボリュームがあること
だけでなく、
四半期より高い精度
が求められます。さらに
納税、申告
ともうお腹いっぱいです。
タイムスケジュール的には、
納税と計算書類、
申告と有価証券報告書
がかぶっているので、キツくなります。
どちらに時間を使うか、どちらに力を入れるか。
ボリュームの把握ができてないと時間切れになるので要注意です。
ちょっとまとめてみます。
年度決算がモリモリなのがお分かりいただけると思います。
第2四半期が若干重いのはボリュームというより精度の問題で、かつての中間決算の名残でしょうかね。
【まとめ】
今回は全体像を書きました。
まずはやることのピックアップをして、
全体のボリュームを把握すること
ですね。
トラブルが起こる前提で、余裕含みのスケジュールを作りましょう。
次回から個別の決算作業に入っていきます!
内容によってボリュームや濃淡がバラバラかもしれませんがご了承くださいね。