決算④~消費税等~
ボリュームたっぷりの固定資産が終わっても、まだまだ決算の折り返し地点にも来ていません。
しかし、消費税等の処理を始める前には
税金以外の仕訳は全て入っている
状態ですので、このあたりで決算スケジュールの進捗状況を確認しましょう。
場合によってはリスケも必要です。
いきなり蛇足ですが、消費税等の「等」について。B/Sでも「未払消費税等」って書いてありますよね。これは国税である消費税と地方税である地方消費税を含む呼び名なので消費税「等」というんです。
私もビギナーだった頃は、この「等」を忘れて怒られたことがります。
ちなみに現在の税率は8%の内訳は
- 消費税6.3%
- 地方消費税1.7%
です。
①まえがき
②検討事項
③固定資産
④消費税等←イマココ
⑤法人税等
⑥税効果会計
⑦連結決算
⑧キャッシュ・フロー計算書
⑨開示書類
⑩あとがき
月次の計上漏れや修正、各種決算整理仕訳が入ったら、消費税等の処理を行います。
私は
- 消費税等集計表のチェック
- 消費税等申告書の作成
- 未払消費税等の計上
- 残高チェック
の順で行います。
1.消費税等集計表のチェック
結局は個々の仕訳での消費税等の処理がすべてです。
ですので、月次でチェックしておきましょう。
決算でなんとかしようとするとパンクします。
会計システムには消費税等集計表を出力するメニューがあります。
これは
- 課税
- 免税
- 非課税
- 対象外
を勘定科目別に集計した一覧表です。
これを使ってチェックすれば、すべての仕訳に目を通すのと同様の効果があります。
固定資産の時と同様に分析的な視点でチェックします。
例えば、
- 国内売上しかないのに、売上高に免税売上がある。
- 租税公課に課税仕入がある。
このような場合は、間違ってるんじゃないかな?とか、
- 社宅がある場合の地代家賃
- 海外出張があった場合の旅費交通費
などは、課税と非課税、課税と対象外が混在していないとおかしいですよね。
こんな感じで見ていきます。
分析的に見るには事前に取引の把握をしておくことも重要です。
- キャンセル料の収入、支払があった。
- 材料や消耗品の輸入があった。
イレギュラーの取引があれば、消費税等集計表にもそれが現れてくるはずです。
そういう視点を持ってチェックしましょう。
2.消費税等申告書の作成
チェック後の消費税等集計表を基に、消費税等の申告書を作成します。
これも会計システムで作成できることが多いと思います。
中間納付額の集計結果も反映させれば
未払消費税等の残高が計算できます。
中間納付は納付時に意外な科目で処理されていることもあるので、
納付書の収集
と
前期の申告書から中間納付額を計算
しておきましょう。
3.未払消費税等の計上
申告書で計算した未払消費税等の仕訳を切ります。
仮払消費税等と仮受消費税等、そして中間納付の3つを消去し、先程申告書で計算した未払消費税等を計上します。差額が出るので雑損失か雑収入で処理します。
この差額は、仮受消費税と仮払消費税が個々の仕訳の積み上げであることに対し、未払消費税等は総額での計算であること、また、端数処理の関係もありどうしても一致しません。
とは言うものの、あまり大きな差が出るようだと、消費税の処理が間違っている可能性もあります。
私は、会社の規模にもよりますが、1,000円未満を目標にしていました。
部門別に細かく按分していると差異が大きく出るので、程よいところで諦めることも肝心です。
インボイス方式になったらまた変わるんでしょうかね?
4.残高チェック
仕訳を入力した後、
仮受消費税等、仮払消費税等、消費税の仮払税金がゼロになっていること、未払消費税等が申告書と一致していること
を確認します。
仮払消費税等が数円残っていることがたまにあります。税金以外のすべての仕訳が入ってから消費税等の処理をしますが、
その後、誰かがコッソリ仕訳を入れる
こともあるんです。
また、
翌期の仕訳が日付間違いで入ってしまうこともあります。
あと、「3.未払消費税等の計上」の雑損失や雑収入が課税になっていないかも確認しましょうね。意外と気が抜けてマヌケなことをやってしまうものです。
【まとめ】
とにかく、個々の仕訳の積み上げであるので、
月次で必ずチェック
してくださいね!
次回は法人税等です!